いくつか問合せがありましたので、追記という形で材料検査についてまた書きます。
当スタジオでは国産材を用いた家づくりをしています。外材は内装や造作で例外的に用いるぐらいで基本的に使用しません。使用する国産材も産地のはっきりしているものだけを使用します。ですから川上から川下までとてもクリアな流れで家づくりが行われます。
材料はスタジオが責任をもってチェック、管理します。含水率の全数検査もその一環です。この検査に合格できなかった材は再乾燥に回されるか、差し替えとなります。
ほとんどの設計事務所は材料検査をしているといっても、含水率を測ったりすることはありません(やっている事務所ももちろんあります。)。工務店さんやプレカット工場が手配した材を「見る」だけです。含水率の数値に関しても相手に任せているだけです。残念ながら多くの設計者は含水率の測り方すら知らないというのが実情です。
何故か?
手間がかかるからです。
ですが自分が設計した住宅に使用される木材の品質を、他人任せにしておくというのはいかがなものでしょう。
多くの設計者に聞くと大抵同じ答がかえってきます。
「国産材は使いたいと思うよ。でも手間がかかるから手が出せない。仕様書に国産材で含水率何%以下と書いて簡単に手に入るなら使いたいけど。」
これではいけません。
手にいれる方法はあるのに使わない。今は三澤さんをはじめとして国産材利用のためのルートを開拓してくださった設計者、工務店のお陰で以前より簡単に国産材を手にいれることができるようになりました。協力してくれる林産地も増えてきています。これからはルートやノウハウをつくるのではなく、活用し拡大させていく段階のはずなのです。
要は意識の問題、意欲の問題だと思います。
とりあえず皆さん、My含水率計を買いましょう。そして測りまくりましょう。
自分達の設計した住宅に使用される素材の品質を知る。当たり前のことを当たり前にする。それだけです。