25日の「素敵な宇宙船 地球号」でシックハウス症候群についてやっていました。
シックハウス症候群は様々な化学物質が原因で、神経や呼吸器などに障害を引き起こす疾病の総称ですが、日本ではまだイマイチ認知されていないようです。「聞いたことはある」という方は多いと思いますが、具体的に・・・と言われると困る方が多いのではないかと思います。シックハウス症候群の症状は様々で、「コレ」といった特定の症状がありません。だから認定が難しく、疾病の認定にあたれる医療機関も、医師もとても少ないのです。
番組では赤ちゃんの時に住んでいた家の「新建材」が原因で、シックハウス症候群になってしまった女性の話や、海外の患者さんの情報などをやっていました。
住まい手の生命と財産を守る「シェルター」。これが住宅に求められる最低限の性能です。この最低限の性能すら担保できない状況が、今巷にあふれています。やすらぎの場であるはずの家が原因で病気になるなんて、とても悲しいことです。
国はシックハウス対策と称して、建築関係法令を改正し、換気扇設置の義務付けなどの対策を施しました。でも場当たり的というか、関係団体(建材メーカーや住宅メーカー)に配慮しすぎてはっきり言ってザル法です。規制された化学物質はごくわずかで、その規制物質の放出が少ないというだけでメーカーは「安全だ」とPRしています。なにが安全なのか誰もわかっていないというのが現状なのかもしれません。
もちろん自然素材=安全でもありません。自然素材だって化学物質を発散します。でもその量は極めて少なく、また人間との付き合いも長いので「おそらく安全だろう」という判断です。
シックハウス症候群を発症してしまった人の中には、この自然素材由来の化学物質でも影響をうけることがあるそうです。
耐震偽装の問題でも同じことが言えますが、何が安全なのか、住まい手自らが関心を持たないといけない時代になってきています。
お金を出して「ハイ終わり」の時代は終わりました。
便利だからと新しいものに飛びつく時代も終わりました。
金額だけでモノの価値を判断する時代も終わりにしましょう。
何が必要で、何が大切なのか。一人ひとりがしっかりと考え、行動しないと、悲しい結末になってしまいます。
もちろん我々専門家が自覚し、襟を正すのは言うまでもありませんが・・・
30分番組ですが、とてもいろんなことを考え、感じました。
苦しまれている方々の症状が、少しでも快方に向かうことを切に祈ります。