前回含水率が高い木材を使うと、いろんな弊害を後々起こりますよ。と書きました。例えばどんな弊害が起こるのか?
というわけで今回は簡単にその当たりを書こうと思います。
含水率が高いということは、木材がたくさん水を含んでいるということです。木は切られてからも呼吸をしますので、この含水率は時間が経てば徐々に減少していきますが、これが結構時間がかかる。そのため乾燥庫なるものに入れて、時間を短縮させて乾燥をしてやるんですが、これにもいろいろと問題があるんです。(そのことはまた後日。)
木材は乾燥していく過程で、その表面積を収縮させていきます。その時に表面が割れたり、真っ直ぐだった材木がネジレたり、反ったりします。ですから未乾燥材(グリーン材とか生材とかいいますが)を使用すると、建物が竣工した後からもいろんなところで材木が動きます。床の下地が動いて床が波打ってきたり、継手や仕口が透いてきたり…。
なのであらかじめ乾燥させた材を使用する必要があるわけです。乾燥材でも木は呼吸をしますから、冬季など空気が乾燥している時は「ピシッ!」と音をたてたりする事があります。生きている素材なのでしょうがないことですね。ちなみに乾燥材の表面にある割れを心配される方がいらっしゃいますが、構造強度的には何の問題もありませんので安心してください。
もう一つ、含水率の高い材を使用することの問題点があります。それは白蟻君などの虫害にあいやすいということ。含水率が高い材は瑞々しくていかにもおいしそうじゃないですか。それに比べ乾燥材の味気なさそうなこと。
建物の耐久性を確保するためにも含水率の低い乾燥材を使用すること。これは必須条件なのです。
含水率の問題はいろいろ難しい部分もあるのですが、極めて簡単に書いてみました。参考になればと思います。
次回は木材の乾燥方法について簡単に説明したいと思います。