どうしても最近この話題が多くなってしまいますが、避けては通れないものと観念に近い感覚でいます。
住まい手の方から
「素人には何を信じていいのかわからない話ですね。」
とメールをいただきました。
確かによくわからない話です。これだけ毎日ニュースで報道されているにもかかわらず、どの報道も犯人探しというか悪者探しに明け暮れていて、本当の問題に対して真正面から向かっている報道は少ないように思います。また解説として登場する専門家も何やら歯切れが悪い印象を受けます。
先日夜のニュースで専門家の方が
「今まではこの業界(建設業界)は性善説で仕事を行ってきた。これからは性悪説でいかなければいけないのかもしれない。」
というような発言をしていました。
確かに性善説という面はあります。特に現場では多くの職方が入ります。お互いの信頼関係がなければとても現場は進みません。またそれぞれの職方の責任というかプライドが、日本の建築技術を世界一のレベルまで高めてきたのだと思います。それを性悪説に変えようとすると、極端なことをいったらアメリカのように契約社会にしなければいけません。何をするにも契約。すべての業務に関して事細かに契約内容が明文化されていてそれ以上のことはしないという社会。それでいいのでしょうか?責任の所在を明らかにする・リスクマネージメントとしては有効な手法だと思います。しかし人間味のない社会になってしまう気がして正直嫌です。
私のやっている住宅設計の世界ではあそこまで大それた構造設計書は必要ありませんが、それでもしっかり構造検討を行って設計をしています。木造で構造なんてと思われる方もいまだにいるかもしれませんが、木造だって鉄骨やRCと同様に構造はとても大切なんです。ですから必要なら構造設計者の方にお願いをして構造検討を行ってもらっています。ここで重要なのは意匠設計者と構造設計者の関係性です。今問題になっているように構造設計者が意匠設計者の下請けという形になってしまうとよろしくありません。対等の関係でそれぞれがプライドを持って仕事をしていくというのがベストなんです。(それぞれの関係性の問題点については次回書きますね。これ書き始めると長くなりますから。)
なんとなく全体像の半分くらいは見えてきたかなという現状なので、少しずつ、思うこと・何が問題なのか・何を議論しているのか、など私の書ける範囲で書き込みをしていこうと思います。何かご意見・ご感想・ご質問などありましたらコメントあるいはメールにてお寄せ下さい。
被害者の方々が早く安心して暮らせるようになることを祈ります。