今日悪質リフォーム業者の営業4人が逮捕された。
最近認知症の方をターゲットにした悪質なリフォームなど、この手のニュースが非常に多い。アカデミーの課題研究で 「リフォームの問題点」 や 「クリアな改修現場」 を実現するためにはどうしたらよいかを、工務店の方々の協力を得ながら研究をした私としては思うことがいろいろある。
アカデミーで課題研究をしているとき、工務店の方々何社かに来て頂き座談会を催したことがある。その中でとある工務店の方が
「最近悪徳業者がうちのお客さんの家に来て お宅の屋根危ないですよ といっていった」
「お客さんが心配して電話してきたから点検したけど何にも問題はなかった」
とか
「ひどい業者は床下点検しますといって自分たちで持ってきた腐った木材やシロアリ付の木材を床下にばら撒いて ほら、あぶないですよ って言っていくんだよ」
など、現場レベルでおきている問題を赤裸々に語ってくれた。また
「お客さんは何も知らないから他人に危ないって言われたら信用しちゃうんだよね。」とも言っていた。
ちょっと前からテレビや雑誌でリフォームの特集が組まれるようになった。その頃からこういった被害が急増している。特に地震への不安が高まる中で耐震工事を謳った悪質工事が横行している。耐震工事は正直、非常に難しい工事だと思う。金具を付けただけでどうこうなるようなものではないことが多い。しっかりと調査をして既存の建物の耐震性能を解析して始めて改修方法が決定するものなのだ。決してその場で改修方法がわかるようなものではないことが多い。金物だけを売りにくる業者には要注意だ。とにかく怪しいと少しでも思ったら専門家に相談をしてください。知り合いの工務店でも設計事務所でも結構です。相談は無料ですから。一人で不安にならず、とにかく相談です。そして決してその場で契約書にサインするようなことはしないこと!ポケットマネーでどうにかなる金額ではないはずです。とにかく慎重に慎重に。
リフォーム工事は500万円以下の工事なら無許可・無資格の業者でも工事を行える。そういった制度的な問題があるのは事実だが、多くの建設業者が住まい手の方にしっかりと説明をしていないことにも問題がある。説明をしないから前述のように第三者に何か言われると不安になってしまって危険な常態になる。改修では住まい手といかに関係性を密にして説明をしっかりするかが重要なのだ。
しかしながら何よりも社会的弱者をターゲットにしたこういった悪徳業者がのさばっている現状は建築業界に身を置くものとして非常に腹立たしいし、情けなく、申し訳ない気持ちになる。
みなさんとにかく信頼できる人に相談をしてください。すぐに契約書をだすような業者は絶対にNGです。そしてしっかりと説明をしない業者も同様に絶対にNGです。
耐震診断はしていただきたいが、安易な診断ならしないほうがマシです。とにかく「信頼できる人」を、も一回言います。「信頼できる人」を探してください。命がかかっている問題なんですから。