神谷建築スタジオBlog 「木の住まいづくりのあれこれ」

愛知,岐阜,三重を中心に木のすまいの設計・監理、改修をてがける設計事務所です
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久々の刺激を受けました。

昨日は一日、浜松の「株式会社 足立建築」さんのところへ叱咤激励を受けにいってきました。

足立さんの姿勢、仕事の進め方から静岡木の家ネットワークの取り組み、現場見学などなど、お腹いっぱい宿題一杯の研修となりました。

例のごとく話すことに一生懸命で写真をほとんど撮ることなく・・・。

IT大工さんを初めとする職人さんの育成や、急激な人口減少が始まるこれからの社会情勢にたいする危機感等、いろんなことを共有することができました。こちらがあまりに勉強不足なので、とても申し訳ない気分になりつつ、お腹いっぱい吸収させていただきました。

***
いつも住まいを計画させていただくときに、住まい手の要望より床面積を小さく納めようと努力をしているのですが、(予算や性能を考えてです。決して要望を無視しているわけではありませんよ)今回の視察でその考え方が正しいと再、再認識しました。

東海地方の方々は他の都市圏の方々に比べると床面積の許容範囲と言いますか、基準が少々大きい傾向があります。その方が幼少期より育ってきた家が大きいという現実的な影響が大きいのですが、核家族化が当たり前になった今でもその影響は大きく、まず要望に上がってくる面積が小さくても平均で35〜40坪です。
今現在、社会的に求められる建物の性能を担保して、その要求面積を確保しようとすると、多くの場合ほぼ予算オーバーとなります。そして提示していただける予算は年々確実に減ってきています。それは今後より顕著になるかと思います。
面積を優先すれば、家はチープになります。質を上げれば面積は小さくなります。これは必然です。我々も魔法使いではないのでそこはいかんともしがたい。

家の快適性は面積によるものではありません。むしろコンパクトで質の良い空間の方が快適性は上がると思っています。(もちろん性能を当たり前に担保しての話です)
コンパクトな家の快適性をさらに上げるために、いろいろな仕掛けを用意するのですが、その一つが「居場所をつくること」です。それも複数の。

コンパクトな家は「かゆいところに手が届く」家です。ですが下手をするとただの「窮屈な家」に成り下がってしまいます。それを防ぐためには小さくてもいくつかの居場所を用意してあげることが重要です。家族全員の気配は感じる、でも一人になりたいと思う時に気兼ねなく籠れる場所。秘密基地。ゆっくり本をよみたい。ゴロゴロしたい。これらは人間の当たり前の欲求です。それらを無理なく満足してあげられる場所が「居場所」なのです。

ただ限られた面積の中でこれら「居場所」を用意するということは、平面的にみれば一つ一つの空間の面積は小さくなったと感じる結果となります。畳一枚、あるいは1坪の居場所であっても。(あくまで平面的にみたらの場合ですよ)

でも家全体の空間で見た時、感じた時、生活した時、必ず納得して頂けるはずです。「居場所」があってよかったと。

我々の仕事は「すでにあるもの」を売る仕事ではありません。過去の実績はあってもそれは過去の住まい手たちのために計画をさせていただいた住まいであって、新たな住まい手のための家にはなりえません。なので「参考」にはなるかもしれませんが「実感」していただくのはなかなか難しいかもしれません。でもそこは説明して信じてもらうしかないなと思うのです。
***

脱線してしまったと思われるかもしれませんが、今回足立さんとお話をさせていただいて、その思いをより強くしました。
数字というのはとてもドライな指標です。性格上、正確さを求められる代わりに固定化されたイメージを誘因してしまいます。人の感覚、満足感を数値(面積)で担保することは正直不可能かと思います。色々な要素を統合して脳は空間を知覚します。なので数値に惑わされず素直な心で提案を聞いていただけると大変助かります(笑)。


足立さん、お忙しい中1日お相手していただき、ありがとうございました。
またゆっくり。

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