神谷建築スタジオBlog 「木の住まいづくりのあれこれ」

愛知,岐阜,三重を中心に木のすまいの設計・監理、改修をてがける設計事務所です
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家づくり一口メモ その10

やばい、先回の一口メモから2月半経過してしまっている…この一口メモはいくら簡単なものとはいえ、それなりに情報を整理してからでないと書けない(誤解を生むような書き方もできないので)ので、実は手間がかかるのです。とはいえ2月以上書いてないとは。

てなわけで久しぶりに書きます。一口メモ区切りの10回目。
テーマは先回書いたように木材の乾燥方法について。
とは言っても、木材の乾燥はとても難しく、専門家の人もまだ「これが最適な乾燥方法だ!」というのには行き着いていない分野なのです。なのでここではとても簡単にサラッといきましょう。

住宅に使う木材が乾燥していないと問題があるのは以前書いたとおり。ではその木材はどのように乾燥しているのか。大きく分けて3種類の方法があります。それは
1.天然乾燥
2.人工乾燥
3.ハイブリッド乾燥
の3種類ですが、1.はその名の通り、伐採した木材を放置(言葉は悪いですが)して乾燥させる方法です。伐採した山に枝をつけた状態でしばらく置いておく「葉枯らし乾燥」、土場などに桟積みしておく「桟積み乾燥」などがあります。木材は自然物ですから自然乾燥させるのが一番です。ですが問題点もあります。それは時間がかかること。樹は何十年とかけて水分を蓄えてきています。それをおいそれと簡単に手放すわけがありません。自然乾燥で木材の含水率を規定量まで減らすのはとても時間がかかるのです。昔のように家づくりに時間をかけていた時代はそれでよかったのですが、現在のように工期を短縮しないといけない時代ではとても材料の供給が間に合いません。それで誕生したのが2の人工乾燥。
人工乾燥は大きな乾燥庫に木材をいれて強制的に乾燥させてやるものです。人間もサウナに入ると汗をかくように、木材も汗をかきます。そうやって乾燥させちゃう方法です。その乾燥庫の温度によって高温乾燥、中温乾燥などに分かれます。この人工乾燥は自然乾燥に比べて乾燥時間が短くてすみます。なので現在はこの人工乾燥が主流となっています。しかし人工乾燥にも問題点があります。木材が焦げ臭くなるとかいろいろあるのですが、その代表が「内部割れ」。木材の木口断面をみると中心から放射上に細かい割れが見えます。この細かい割れが木材の性能を大きく落としている可能性があります。木材特有の粘りがなくなるといわれているのです。また燃料に石油を用いることが多いので環境的によろしいとはいえません。そういった自然乾燥、人工乾燥のそれぞれのいいところを持ち合って、弱点を改善していこうとして最近試みられているのが3.のハイブリッド乾燥です。簡単に言うと自然乾燥と人工乾燥どちらかではなく、両方すればいいじゃん。といったところ。手順はいろいろあるのですが、短い時間人工乾燥してやって、あとは自然乾燥させるとかいうやり方もあります。これだと自然乾燥より乾燥時間は短くてすみますが人工乾燥よりは時間がかかります。ですが内部割れの心配はありません。ようするに折衷案です。このハイブリッド乾燥には「ドライングセット」などという用語もありますが、とても専門的なのでここではやめときます。
(詳しく知りたい方はこちら→フロンティア

あまり詳しくは書けませんが、木材の性能・安全性を確保するためにいろんな方が日夜地道に研究をしています。目立たないので見落としがちですが住まいの安全性にはとても重要なことです。また山にとっても性能のよい木材が供給されるようになることはよいことです。ですので住まい手のみなさんが少しだけでもいいですから、木材の乾燥に興味を持っていただけるとうれしいです。
家を建てる時、業者の方に「この木材は乾燥してますか?」と聞いてみてください。「どきっ」とした顔したら要注意です。私達専門家が材料に対する管理をするのはもちろんのことですが、住まい手自身も自分の家に責任を持つ。これがいい「木のすまい」への大切な第一歩です。


あ〜、長かった。しかも小難しい。次回はもっと簡単にしよっと。
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